染色体「減数分裂の進行はどうだい？｣ｼｺｼｺ

卵巣「現在ここまで進んでいます」

染色体「精子である主人公が卵子のヒロインと共にヒトの個体を形成する遺伝子…ふんふん…」

染色体「この卵子の染色体いくつ？」

卵巣「23本ですね」

染色体(そっかぁ…)

染色体「この遺伝形質なんか違うんだよね…王道すぎるというか…ひねりがないよねぇ…」

卵巣「うわぁ…」(そうですか…)

染色体「そうだ！卵子の第一減数分裂時にエラーを起こして受精卵に第3の21番染色体をカッコよく登場させようよ！」

染色体「検査で発覚するのは妊娠22週目以降ね！これは面白くなるぞ！」

卵巣「で、でも染色体は二対が相場ですし！遺伝情報も殆ど出来上がってますよ！」

染色体「いやいや…まだ進化の可能性は残されてるでしょ？」

卵巣「医学的に常染色体のトリソミーは染色体異常として認定されてますし！」

染色体「子孫を残せないとは書いてないだろ」

卵巣「常染色体トリソミーによる流産死産はもう沢山見つかってます！健全な人間に比べて生存率が極めて低いんですよ！」

染色体「それはそのままでもいいんじゃないもうさ」

染色体「新人類ちゃん誕生させようよ～｣ドピュドピュ

卵巣(こんなのおかしいって…突然変異の所為で本来なら健全に生まれる事ができる人間が死ぬことになるんだぞ…こんな染色体の好きにさせてたまるか…)

卵巣「人間の遺伝情報はすでに確固たるものになっています！新人類だか何だか知らないですけど突然変異されて
変なのが出てきても困りますよ！」

染色体「変なのが出てきたら〆ればいいだろ、新しい種族が出来るってだけで人間の遺伝情報がどうとかは関係無いし」

染色体「上手くいけば知能とか高いから人気も出るだろうし、生物の多様性に最大限利用してあげてよ新人類ちゃんをさ」

染色体「個体数がちゃんと増えりゃあ文句ないっしょ？それより新人類を誕生させるためのゲノムを考えようよ！」

染色体「全身にメラニン色素がない人間が前人気出たから新人類もそれで行こうよ！かっこいいし絶対人気出るって！」

卵巣「あの…人類はある程度肌の色が分かれてるが魅力の一つでもあるはずですよね、それを全部真っ白にしちゃうって差別みたいな事になりませんか？」

染色体「じゃあなんで最初から肌の色を統一しなかったの！？君のチョイスミスでしょ！？」

染色体「遺伝子プールは今の現人類を基礎にしてそこに新人類を入れてそこから新人類の魅力を前面に出しつつ個体数を増やしていけば完璧だぁ…」(染色体凝縮)

卵巣「でもそんな雑な交配したらさらに遺伝形質に異常が出たり遺伝情報おかしくなっちゃいますよ！！」

染色体「その場合は産まれてこないから大丈夫だろ」

染色体「遺伝情報は徐々に作り変えながら生体の中身を新人類に近づければいいでしょ」

染色体「現人類にはヒトゲノムと共に研究頑張ってもらってみんなのハートを鷲掴みにしたところで突然変異した新人類ちゃんの新ヒトゲノムの登場で大盛り上がりだ！」

染色体「さっそく突然変異しよう！｣ｼｺｼｺ

RNAさん「あー！まさか私が人間さんのDNAの複製やらせてもらえるだなんて！嬉しいなぁ…頑張るぞ！！」

細胞「RNAさん？ちょっといいかな…」

………

RNAさん「えっ…生殖細胞の減数分裂イベントで常染色体の分裂に失敗してほしい？…あの…私正常にDNA作るのが役目って…」

細胞「本当に申し訳ないです…新人類のDNA複製では活躍させる予定ですので…」

RNAさん「…はぁ…」

RNAさん(私が残した常染色体が突然変異引き起こしてる…ははっ)

RNAさん「遺伝形質にもなってるよ…」

RNAさん「新しく生まれる受精卵でここまで多く異常がある遺伝子もないよなぁ…」

RNAさん「あっ…私の引き起こした染色体異常でこの受精卵は分化できないんだっけ…」

RNAさん「なんで私生物として誕生できない受精卵で酵素の形成やってるのよ…」

RNAさん「はぁ…」

染色体「いいぞ～！新人類の誕生！その仲間たちとの真の絆！最高だ！」

染色体「突然変異した遺伝形質が特にいい！｣ﾄﾞﾋﾟｭﾋﾟｭ

胎盤(この胎児ももうダメかもしれない…中身はボロボロ…外装だけなんとか取り繕って良く見せてるけど…遺伝情報変わったせいでホルモンも満足に調整出来てない…)

胎盤(こんなのを新人類が誕生するまで繰り返していくだなんて…はぁ…)



科学者「とりあえず遺伝子組み換えにも取り掛かっておくか…染色体異常で産まれてこれなかった胎児の為にも…」

染色体「ん？！遺伝子組み換えもやる気満々なのかい！！どんな遺伝子にするつもりなの？」

科学者「えっ…えー…人工的に作ったES細胞のその後を…」(これはマズい…)

染色体「……」

染色体「いいじゃない！！」

科学者「え…？」

染色体「染色体異常で産まれてこられない胎児の事も考えないとそりゃ不満も出るだろうしね…大切な事だよ」

科学者「はい！そうですよね！頑張りますよ！」

染色体「産まれてこられなかった染色体異常の胎児の遺伝情報を研究応用して新人類ちゃんの誕生を手伝うんだな！！」

科学者「は？」

染色体「そうだろ？」

染色体「胎児ちゃんの最後の舞台だな…！頑張ってくれよ！」

科学者「いやいや…これから産まれてくる胎児の染色体異常を防ぐための遺伝子組み換えであって新人類の誕生は関係ないというか…必要ないですよ！」

染色体「は？お前新人類ちゃんの誕生は必要だろ馬鹿か？」

染色体「お前なんかむかつくな…現人類のY染色体を消滅させて、新人類のヒトゲノム完成が必要になるよう突然変異するわ」

科学者「えぇ…」

染色体「俺は染色体だぞ」

科学者「はい…」

全人類の全細胞「RNAさん、DNAの用意出来ました複製してください」

RNAさん「えっ…なんでY染色体いきなり消えてるんですか…」

細胞「じゃあお願いします」

RNAさん「これ以前の遺伝子に比べておかしくないですか？…これじゃ女性しか産まれなくなる…」

細胞「お願いします」

RNAさん「はい…」

科学者「新たなる人類の遺伝子がついに完成しました！！！皆さん是非遺伝子組み換えしてみてください！！！！！」

染色体「あぁ…突然変異…突然変異最高だよ新人類ちゃん…｣ｼｺｼｺ


そして突然変異と遺伝子組み換えよって新たに誕生した新人類はこの新ヒトゲノムによって高い生存率を記録したが

その後旧人類はY染色体が消滅したため絶滅、新人類も染色体が不可逆的な異常を起こしたことで新ヒトゲノム崩壊
ついに全人類は滅亡した


END

染色体おまけしたろの精神

結構作り込まれてて草

ある程度ちゃんと知識あって草

頭いいのか悪いのかはっきりしろ

なんでこんなちゃんと作っちゃったんだよ

「俺は染色体だぞ」
草

ダウン症かと思ったら人類滅亡しとるやんけ

なんのこっちゃ全く分からんけど凄いのは分かった

ワイ中卒、死亡

突然Y染色体消えて草

体内の話かと思ったら急展開始まって草

唐突に滅亡して草